初心者さんが選ぶべき陶芸窯

陶芸窯イラスト陶芸のススメ

自宅で陶芸をしたいんだけど、陶芸の窯って色々あってどれがいいのかわからないんだよね。

陶芸を始めたばかりの人におすすめの陶芸窯があるんですよ!

あぁ、君か…えーっと、だれだった?

私は京都の窯元で修行したあと2000年に独立し、古民家を自分の手でリフォームして陶芸の工房にしました。そして小さな陶芸教室も運営しています。

窯は電気窯を2基設置しています。そんな経験をもとに初心者さんにおススメの窯をご紹介します。

初心者さんが選ぶべき陶芸窯

早速結論からお伝えします。
ずばりオススメは小型電気窯です!

小型!?中型ではだめなのか?じつは大きさだけではなく、他にも大きく違う部分があります。

この記事では初心者さん向けに、陶芸用の小型電気窯と中型電気窯の違いについてお伝えし、小型窯をおススメする理由を説明していきます。
どんな陶芸窯がいいか迷っている方は、最後まで読むことで考えがまとまると思います。

電気窯が良い理由

陶芸窯には他にもガス窯や灯油窯、穴窯などがあります。
しかし趣味で陶芸を始めるなら「最初につまずかない」を第一の目的とするべきだと考えています。
近くに質問したら答えてくれる「窯の達人」が居れば別ですが、一人でも成功体験を得るには電気窯が一番です。

その電気窯の中でも小型電気窯をおススメしています。
もちろん当てはまらない方もおられるかもしれませんが、小型と中型の電気窯に絞って違いを見ていきましょう。

近年小型電気窯や中型電気窯の多くに マイコン付き がラインナップされて、更に使いやすくなっています。

電気窯は決して初心者だけでなく、実はプロの陶芸家さんたちの多くも使っています。私の工房にもマイコン式の中型電気窯があります。

中型窯がいいの?それとも小型窯がいいの?大きく違う特徴とは

小型窯=100V=炉内容積狭い
中型窯=200V=炉内容積広い

「広い方がいいんじゃないの?」と思われた方がいるかもしれませんが、そうとも限りません。
ここからは小型窯と中型窯それぞれの特徴と、どんな人に向いているのかを解説します。

陶芸用小型電気窯とは

  • 家庭用100V電源で焼ける(ちなみに中型窯は200V)
  • 焼成電気料金 素焼き約300円 本焼き約500円くらいまで(機種による)
  • 炉内容積 最大約30センチ幅まで(機種による)
  • 簡易な還元焼成しかできない。
  • 電熱線は基本的にコイル式

おそらくしっかりと統一された規定は無いのかなと思いますが、色々なサイトを見る限りほぼこれに当てはまります。

小型電気窯の商品サイトへ飛びます

小型窯のデメリット

炉内寸法が小さいので少ししか作品が入らない

 電力の容量が小さいので、必然的に窯の内寸も小さくなります。
 →考え方を変えればメリットにもなることがわかります!詳しくは後述します。

小型窯→幅×奥×高さは一番大きくても 約30センチ四方、小さいもので20センチ四方位です。

簡易な還元焼成しか出来ないのがほとんど

 →ですが、実は「さや」を使った簡易な還元焼成がおもしろい!

小型窯のメリット

家庭用100Vのコンセントに差し込めば使える

 →電気工事の必要がない。
 →到着してすぐに使える。

場所を取らない、移動が容易

 →作業場の隅に置いてもあまり邪魔にならない。

ランニングコストが安い

 →基本料金がかからない。
 →焼成代が安い(素焼き300円くらい、本焼き500円までくらいでできる)。

焼成回数(回転率)を上げて経験を積める

 →炉内容量が小さいことがデメリットとしましたが、小さいからこそ何度も焚ける。そして経験を多く積むことで作品の完成度が早くあがります。

電熱線を自分で交換できる

 →基本的にコイル式の電熱線なので、修繕時には自分で交換することができ経済的。私も自分で交換しました。

小さいからこそ得られるメリットが沢山あります。陶芸以外の趣味もある方には小型電気窯がおススメです。
陶芸用小型電気窯といってもたくさんの種類の機種があります。
私が陶芸窯のサイトを見て、ひとつひとつ窯の特徴を把握した上でおススメできる陶芸用小型電気窯の機種をピックアップし要点をまとめた 陶芸用 小型電気窯おススメ機種6選 で紹介していく予定です。

小型電気窯の商品サイトへ飛びます

陶芸用中型電気窯とは

  • 200V別途基本料金がかかる
  • 焼成電気料金 素焼き約500円 本焼き約800円くらいまで(還元焼成の場合のガス代別途)
  • 炉内容積 約30cm角~60cm角くらいまで(機種による)
  • ガスバーナーを使用した還元焼成が出来る機種が多い
  • 電熱線はコイル式とウエーブ式半々くらい

以上が中型陶芸窯に対する私の概ねの定義です。

中型電気窯の商品サイトへ飛びます

中型窯のデメリット

本体価格が高い

 →小型窯より約10万円以上高い。

200Vの電気工事が必要

 →ただし、近年一般家庭でもエアコン用に元々引き込まれている場合があります。

ランニングコストがかかる

 →電気料金の月額基本料金がかかります。

内容積が大きいので、多く作らないといけない

 →スカスカでも焚けます。ただしモッタイナイ!

ウェーブ式電熱線の場合は個人での取り替えはハードルが高い

 →ただし、交換ではなく補修のみの場合は個人でも出来ます。
 →コイル式の中型電気窯も多くあります。

重いので、一度設置すると容易には動かせない

 →ほとんどが100kgを超えます。

中型窯のメリット

炉内容積がひろいので、一度に多くの作品を焼ける

 →炉内容積は広いもので幅奥行高さが約50センチを超えるものもあります。
 →大きな作品も焼けます。
 →電動ロクロを使って作る場合は作品数が多くなる傾向があるのでおススメです。

ガスバーナーを使っての還元焼成のできる機種が多い

 →私の工房の窯の一つはこのタイプです。

ほぼ毎日趣味で陶芸をする場合は早く技術が上がり作品点数も増えるので、小型窯のみでは追いつかなくなるかもしれません。
ガッツリやりたい方には中型の電気窯が良いかもしれません。

中型電気窯の商品サイトへ飛びます


 

制作スタイルによって、まずは陶芸窯の大きさを決める

このタイプの人には小型窯

  • 手びねりでひとつの作品に時間をかけたい
  • 小さなアクセサリーのようなものを作りたい
  • 何度もテストをして早く完成度を上げたい
  • コストを抑えたい
  • 他の趣味もしたい

このタイプの人には中型窯

  • 電動ロクロで作りたい=沢山作れる
  • 将来30cm以上の作品を作りたい
  • 本格的に陶芸をしたい
  • 還元焼成をしたい

ひとつの窯を埋めるのにどれだけ制作期間がかかるかを考えましょう。

素焼きの場合は器なら重ねて焼けるので、本焼きより2倍以上の量が焼けます。
折角なら最低1~2ヶ月に一度は焼きたいところですよね。
中型窯に素焼きを詰めるのに、制作に3ヶ月以上かかるのなら小型窯にした方が良いかもしれません。

扉のタイプを決める

大きさを決めたら次に二つの選択肢があります。
それは前扉式か上蓋式かということです。
それぞれ一長一短があります。

前扉式

窯詰め横扉式
小型電気窯DMT-01を横から見た画像
  • 窯の高さ、全体が見渡せ、棚板を組んだ後でも作品の入れ替えができる
  • 窯詰め窯出しの時に比較的楽な姿勢で作業ができる
  • ホコリや不純物が混入しにくい
  • 構造上、若干価格が高い      

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感想(4件)

上蓋式

小型電気窯Petit(プティ)DUA-01型を上から見た画像
  • 棚板に載せた作品同士の隙間が見える
  • 窯詰め窯出しの時に比較的前かがみの姿勢で作業しなければならない
  • 蓋の開け閉め時にホコリなどが混入しやすい ※特に窯詰めが終わってから上蓋を閉める時は慎重にしなければならない
  • 上蓋自体の重さでしっかりと蓋がされる単純構造のため、横扉式と比べて価格が抑えられている

炉内の形が八角・円形のもの(上蓋式)、四角のもの(上蓋式・横扉式)があります。
例えば縦横30cmとあっても炉内の形が四角と丸では容積が違ってきます。
ただし窯を詰めたり出したりする作業上のし易さに大きな違いはありません。

陶芸/小型電気窯 Petit(プティ)DUA-01型

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感想(1件)

まとめ

自分で陶芸を始めるときに一番高くつく機材が窯であり一番不可欠なものでもあります。

「最初につまずかない」 「プロも使っている」ことから電気窯を、そして「小さくはじめるべき」との考えから私は小型電気窯をオススメしています。もちろん違ってもいいのでどんな窯が自分に合うか考えてみてください。

陶芸の電気窯といっても沢山あってどれがいいか分からないんだよね。

陶芸窯は各メーカーから多くの種類が発売されています。値段もピンからキリまであり、特徴もありますが、一方で同じような機能だったりどちらが良いのか分かりにくい部分もあります。

私が陶芸窯のサイトを見て、ひとつひとつ窯の特徴を把握した上でおススメできる陶芸用小型電気窯の機種をピックアップし要点をまとめた 陶芸用 小型電気窯おススメ機種6選 で紹介していく予定です。


一緒に陶芸ライフを過ごしましょう!

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